沢登り:滝の登攀

■■「スムーズ」は安全につながる■■

沢登りの基礎的な技術の講習をすることになった。
良い機会なので、
まるめのの経験を踏まえ、
ロープで確保して滝をスムーズに登攀する手順をまとめた。
滝場のスムーズな通過はリスク回避に役立つからね。

安全に楽しく沢登りをするには、パーティーの人数は5人が限度だろう。
信頼できるサブリーダーがいることも重要だ。
大人数での遡行は自然破壊の要因になるので避けるべきだ。

以下、リーダーとサブリーダーを含む4、5名のーティーが、
スムーズに20m位までの滝を登攀する手順を記す。
滝の落差が20mを超す場合は途中でピッチを区切るなど、
状況に応じた判断が必要でリーダーの腕の見せ所である。
また、難しそうで時間がかかりそうな滝では、
滝の登攀自体が目的でない限り高巻きが原則だ。

アンザイレンと確保については、
シングルロープ、メインロープ脱着が頻繁、ロープが濡れて滑りが悪い、
ホールドの崩壊、岩、泥、草木など落下物の可能性、流水
など沢登り特有の要素を考える必要がある。

沢登りではメインロープを頻繁に脱着することが多い。
トップのハーネスへのメインロープ連結は、
ロック機構付カラビナ(以下、ロックカラビナ)と
フィギャー・エイトノット・オンナバイト(以下、エイトノット)
+オーバーハンド・ノットで行う。

ロックカラビナはゲートの向きを逆にして2枚使う。
墜落時に横方向に荷重がかかり、
カラビナが破断するリスクを減らすためだ。
ロックカラビナのハーネスへの連結は、
岩登りでアンザイレンするときにロープを結ぶ位置に行う。
ただし、これは墜落した場合の衝撃が大きいトップの場合のみで良い。

セカンド以降はビレイリングにロックカラブナを連結する。
ビレイリングの強度は新品のハーネスで15KN程度である。
ビレイリングの素材は摩擦熱による溶断の対策はされていないので、
墜落時に強い摩擦が発生する危険性のあるトップは、
ビレイリングへの連結は避けるべきだ。

滝の登攀は、
リダーがトップ、サブリーダーがラスト(またはその逆)とする。
トップの確保では必要に応じてセルフビレイを取り、
エイト環やビレイ器具を用いたボディー・ビレイを行う。
セルフビレイを取る理由は、
確保者がトップの墜落に引き込まれて転倒したり、
岩に激突するのを防ぐためだ。
トップは出来るだけ早くランニングビレイを取るという原則は
岩登りと変わらない。

トップが滝の落ち口まで登り支点を構築して確保の体勢に入ったら、
ロープは引き上げず、
2番目の者は上から下がっているロープにエイトノットを作り
ロックカラビナでアンザイレンする。
残りのロープは下に引いて登攀する。

3番目の者は2番目が引いて登ったロープの下端に同様にアンザイレンする。
この方法でロープを上げ下げする時間を大幅に節約することが出来る。

2番目の者はロープの途中でアンザイレン(片品川泙川三俣沢大岩沢)
2番目の者はロープの途中でアンザイレン

トップは後から登る者の動作がよく見える位置まで移動して
確保態勢に入ることが重要だ。

フォローの確保システム構築の手順は、
1. スリングを用いて支点(灌木や岩など)にロープを固定する。
  ロープを直接支点に巻きつけても良い。
2. 固定したロープを伝わり、フォローが見下ろせる位置に移動し、
  ロープにエイトノット(またはインライン・フィギャーエイトノット)を作り、
  ロックカラビナを用いてセルフビレイをセットする。
3. セルフビレイの50cmほど上のメインロープに
  2と同様にしてエイト環をセットしグリップビレイで確保する。

フォローの確保(イラスト)
フォローの確保(イラスト)

エイト環グリップビレイ
エイト環グリップビレイ

ロープが細いと十分な制動が得られないことがある。
その場合は、
ビレイリングに別のカラビナをセットし、
ビレイ支点のカラビナとの間でロープをターンさせることで
より大きな制動力が得られる。

ロープの制動力を高める(イラスト)
ロープの制動力を高める(イラスト)

滑落のリスクが小さい場合、
2mほど離れて2名同時に登攀することで時間短縮が図れる。
この場合、沢に慣れている者がホールドの指示をしながら後から登る。

以上は、上からの確保でフォローが登る方法であるが、
支点に固定したロープにバッチマンをセットして登る方法もある。

by まるめの
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