FC2ブログ
まるめのが登った山々の覚書き
日向八丁尾根~甲斐駒ヶ岳周回
2018-11-08 Thu 15:00
■気になっていた尾根

甲斐駒の地図を眺める度に気にかかっていた日向八丁尾根を歩いた。
この尾根は尾白川左岸の日向山から大岩山を経て三ツ頭に至る長い尾根だ。
今回は甲斐駒山頂にタッチして黒戸尾根を回って日帰りする計画だ。

日向八丁尾根~甲斐駒ヶ岳概念図
日向八丁尾根~甲斐駒ヶ岳概念図

白州のローソンで行動食を買い込み真っ暗な竹宇の駐車場を後にした。
平日だから誰もいるまいと思いきや暇人はいるもんだ。
車が7,8台駐車していた。

日暮れが早い季節だし、おまけに長丁場ときている。
暗い中黒戸尾根の悪場を下るのはご免こうむりたいので早出に限る。

矢立石の登山口を快調に通過して、
ロボット観測所手前の樹林を登る頃、東の空が茜色に染まり始めた。
夜明けの陽光は素晴らしい。
命に満ち溢れている。
血流が不思議な力を身体の隅々まで運んでくれるようだ。

黎明
黎明

駐車場から一気に登ったので日向山でひと休み。
早朝、山上の砂浜には誰もいない。
目指す甲斐駒が遥かに聳えていた。
午後にはあの天辺に立っているんだと思うと信じられない遠さだ。

遥かな駒ケ岳
遥かな駒ケ岳

日向山から先は初めて歩く道だ。
花崗岩の砂礫に鹿だろうか踏み跡が縦横に交差していた。
9月に鞍掛山を目指したとき、濃い霧に阻まれて引き返した所だ。
錦滝分岐のコルに下ると狭い稜線を塞いで白い露岩が構えていた。
この花崗岩の向こうにどんな道が続いているのだろうか?
ちょっとワクワクする。

露岩を越えて
露岩を越えて

露岩を越えるとしばらく灌木のナイフリッジをトラバースするように道が続いた。
踏み跡はしっかりしているので不安なく進めるが、
足元に張り巡らされた木の根に足を引っかけて転落すると
誰も助けてくれないので慎重に歩いた。

P2029の登りが始まるところでひとりの登山者と行き会った。
思いもかけない人との出会だった。
相手も同じ気持ちだったようだ。

昨日入山して雨の中大岩山でビバークしたとのこと。
今夜全日本サッカーの試合を見るため縦走を断念して下るそうだ。
気をつけて。
エールを背中に貰い急坂を急いだ。

P2029までは幾つもピークを越えて進んだ。
木々を眺めながら歩いて行くと面白い造形に目が留まる。

ちびおがせ?


もこもこの木
もこもこの木

気持ちの良い熊笹の道もあった。
多少の藪漕ぎは覚悟の上だったので道が良く踏まれているのに驚きだった。
世の中には好き好んでこの地味で長い尾根を歩く人が結構いるようだ。

熊笹の道
熊笹の道

鞍掛山への分岐は何の変哲もない平坦な樹林の中だった。
駒石と呼ばれるランドマークがあるらしいが先を急ぐ身なので確かめなかった。

鞍掛山分岐
鞍掛山分岐

梢越しにピークが望めるが、きっと大岩山へ続く稜線の一部だろう。
まだまだ先は長い、気合を入れ直して進む。

梢越しに大岩山への稜線
梢越しに大岩山への稜線

苦労するかと思っていたが大岩山にはあっけなく着いてしまった。
地形図に道はないがやはりしっかり登山道があった。
おまけに大岩山には立派な標識まで立っていた。
やって来ました大岩山という感じ。

やって来ました大岩山
やって来ました大岩山

先が長いので大岩山も殆ど休まず通過した。
山頂からコイワカガミが埋め尽くす尾根を南西に下る。

コイワカガミの尾根
コイワカガミの尾根

しばらく下ると尾根が2分したので磁石で方向を確認して南東に向きを変えた。
いよいよ激下りの始まりであった。
初めは太い鎖の下りが15mほど。
枯葉の積もった急なくぼみに下がっていた。

その後は鎖とビニール被覆ワイヤーが途切れることなく続いた。
鎖はがっちりと太く頑丈なものでワイヤーも非常にしっかりしたものだった。
七丈小屋の人がルートを整備してくれたらしいが、
物資の搬入だけでもえらい苦労だったろう。

下降ルートはほぼ垂直だが、
しっかりした灌木が生えており足場も比較的安定しているので、
不安は全く感じなかった。
しかし圧巻の下り、下りである。

鎖やワイヤーの固定は確実で心配なかった。
ビニールで被覆されたワイヤーは滑りそうなので素手になって下った。
長いハシゴを下り終えるとコルがだいぶ近くなった。

等高線を読んだら150m近い下りだった。
国内の登山道でこんなに激しい下りってあるだろうか?

激下り150m
激下り150m

下りきって狭いコルに立つと普通の登山道が戻った。
コルの標高は2,170mだった。
しばらく登り返して今しがたの激下りを振り返ると、
岩壁に貼りつくようなハシゴが見えた。

この下り、登山道が整備されていなかった昔は懸垂下降を交えたらしい。
しかし、それはそれで面白しろかったに違いない。

激下りを振り返る
激下りを振り返る

しばらく樹林の中の穏やかな登りが続いた。
しかし、烏帽子岳が近くなると稜線は次第に痩せた岩稜に変貌した。

庇のように岩が重なり泊まれそうな石室を作っていた。
岩庇が作る空間に八ヶ岳が鎮座していた。

岩庇と八ヶ岳
岩庇と八ヶ岳

烏帽子岳まではハシゴも出てきたり油断ならない痩せた岩稜が続いた。
鞍掛沢側は浸食が進み今にも崩れ落ちそうだった。

岩稜つづく
岩稜つづく

甲斐駒ヶ岳が近づいた感じだがまだ遠い。

まだ遠いなぁ、駒ケ岳
まだ遠いなぁ、駒ケ岳

標高の高い所では昨日の雨が雪だったようだ。
仙丈ヶ岳が白く冠雪していた。

冠雪した仙丈ヶ岳
冠雪した仙丈ヶ岳

三ツ頭(鋸岳分岐)まで来ると、駒ケ岳の山頂を残すだけなので気分的に楽になった。

三ツ頭(鋸岳分岐)
三ツ頭(鋸岳分岐)

六合目の避難小屋は綺麗に整備されていた。
20代のころ尾白川本谷を遡行したことがあるが、
あの時は六合の小屋に寄ったのだろうか?
全く記憶がなかった。

小屋から稜線に出る道が分からず暫く小屋の周りをうろついてしまった。

六合目避難小屋
六合目避難小屋

登山道は稜線についているはずなので、
転石伝いに適当に登るとやがて踏み跡に合流した。

八合目付近から登山道は次第に新雪に覆われた。
まだ先は長いので足を濡らさないよう注意して歩いた。
全く記憶にない鎖場が2ヵ所ほど出てきてつるつる滑りうんざりだった。

雪のせいで思わぬ時間を食ったが15時にようやく甲斐駒ヶ岳の山頂に辿り着いた。
山頂には遅くとも13時と考えていたので大幅な遅れだった。
日暮れて黒戸尾根を下るのかと思うと気が重かった。

やったぜ、駒ケ岳
やったぜ、駒ケ岳

黒戸尾根も上部の岩場に雪が残っており慎重に下った。
夕暮れに追われながらの下降ということもあったせいか七丈小屋までが非常に長く感じた。
七丈小屋でひと休みの甘い誘惑に負けそうになったが、
日のあるうちに刀渡りを越えたかったので歯を食いしばって素通りした。

黒戸尾根を下るのは数年前の12月に黄蓮谷右俣を登って以来だった。
悪い桟道が全て真新しいハシゴに付け替えられ非常に下りやすくなっていた。

刀渡りを越えてから休もうと思ったが、
5合目まで下るとすっかり陽が落ちてしまった。
もはや焦っても仕方がない。
腹を据えひと休みして長い夜道の下りに備えた。

刀利天狗の下りでちょっと迷ったが、
夜道を順調に下ってなんとかワンデイで駐車場に戻ることが出来た。

日 程:2018年10月16日(火) 曇り
メンバー:まるめの
タイム:
竹宇駒ケ岳神社駐車場4:15---日向山6:10~6:35---鞍掛山分岐7:55
---大岩山9:20---烏帽子岳12:20---三ツ頭(鋸岳分岐)12:35~12:45
---6合目小屋13:25~13:30---駒ケ岳山頂15:00~15:05
---黒戸尾根5合目17:30~17:40---刀渡り下18:50~19:00
---竹宇駒ケ岳神社駐車場22:15

by まるめの
スポンサーサイト



別窓 | ピークハント(無雪期) | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<佐久・男山ダイレクト | 夜も山あるき | 北アルプス・奥又白~前穂高岳>>
コメント
コメントの投稿














管理者だけに閲覧

トラックバック
トラックバックURL
| HOME |